冷凍きのこスパゲッティ

644 名前:('A`)[] 投稿日:04/09/20 18:36:59

連休3日間を、家に引きこもってすごした僕。

空腹感に襲われても、買い物に行く気力もなくて、
家の冷凍庫を空け、一袋のスパゲッティを取り出した。

“冷凍きのこスパゲッティ”
そう書かれた外装のビニール袋を手荒に破り捨てながら、説明文に目をやった。



「1.凍ったままのスパゲッティを袋のままお皿にのせ、電子レンジで加熱して下さい。」

 そんなこと、わかってる。ボタンを押すだけだろ。面倒なことはキライなんだ。



「2.温めたスパゲッティを、お皿に盛り付けて下さい。」

 うるさいぞ。盛り付けなんかしなくても、食えればいいだろう。



「3.ソースをよくからめて、温かいうちにお召し上がり下さい。」

 うるさい!いつ食べようと僕の勝手だろ!!

 ・・・・・・。
 
 ・・・・どうして・・・どうして、そんなに優しいんだよ・・・。

 こんな僕なんかに、どうしてそんなに優しいんだよっ!!!うう・・・うわあああああ・・・・

 お前だけだよ、僕を心配してくれるのは。ううう・・・。好きだよ・・・。好きだよぅ。

 好きだよ、冷凍きのこスパゲッティぃいいいい・・・・。ううう・・・うあああああああ・・。


・・・何時間ほど泣いていたのだろうか。
ふと窓の外に目をやると、すっかりと日が暮れ、もう夜になっていた。
涙にぬれたスパゲッティの袋をシンクに置くと、僕は、ベランダへと出た。

涼しげな秋の夜風が僕を包むと、頭の上には満天の星空がきらめいていた。

 ・・・世界って、こんなに綺麗だったっけ・・。
 
 もう少し、もう少しだけ・・・がんばってみようかな。

そんな小さな変化の風が、僕の胸の中を吹き抜けて行った。


 ありがとう、そして、さようなら。

 今までの僕、そして、“冷凍きのこスパゲッティ”。
投稿者 Yet : 2005年12月23日 | 2ch: 俺の主張 | メインへ